継承日本語ネットワークとは
ヨーロッパで継承日本語を教える機関の多くが公的な支援もなく情報も少ない中、様々な工夫をこらしな活動を行っています。私たちは、この問題解決の一助となるよう、欧州日本語教師会(AJE)の専門研究グループ(Special Interest Group:SIG)として「欧州継承日本語ネットワーク」を立ち上げました。このネットワークを通じて、孤軍奮闘している皆様同士がつながり、継承日本語教育に関する知識や情報を共有できるよう動いていきます。
メンバーからのご挨拶
板倉法香(スペイン)
公立語学学校アリカンテ校に勤務しています。この学校は日本で言うと中高一貫校のようなところで、授業料は政府が負担しています。継承語との関わりとしては、小学生の息子2人や同じ環境の子供達に日本語クラブを開催しています。このクラブでは母親が先生をしていて、私も教えています。皆様と継承日本語について一緒に考えていきたいです。
齋藤あずさ(イタリア)
ローマで日本語を教えています。外国語としての日本語教育と補習校での経験を通して興味関心は自ずと「継承日本語教育」へ。現在は「にほんごもっと」というアソシエーションで日本語・日本文化や子どもの教育に関心のある方々とつながり、いろいろな活動をしています。わが子への読み聞かせを始めてからは絵本の魅力にどっぷりとはまっています。
フックス清水美千代(スイス)
三か国の国境の街、スイスのバーゼルに住んでいます。バーゼルは移民や外国籍の住民が多く、州が継承語教育に力を入れています。1985年に有志とともに「バーゼル日本語学校」という継承日本語コースを設立し、今も教師として教えています。欧州の皆さんとの交流を通して、お互いに学び合えることを期待しています。
根元佐和子(フランス)
パリ南の郊外にある小さな日本語教室、パリ南日本語補習校で教師をしています。教室を楽しく運営できるよう教師同士で研鑽し合いアイディアを絞っています。欧州の皆さんとぜひ意見を交換したいと思っています。
三輪聖(ドイツ)
ドイツで子育てをしつつ日本語教師をしています。現在、テュービンゲン大学に勤めておりますが、これまで補習校の教員をしていたこともあり、複数の言語・文化の中を生きる子どもたちの「ことば」の教育に大きな関心があります。みなさんと情報交換させていただけることを楽しみにしています。
若井誠二(ハンガリー)
カーロリ・ガーシュパール大学で教えておりますが、小規模継承日本語サークル「かざぐるま」にも10年以上携わっています。記録になかなか残らない小規模サークルの一生をおいかけています。